2010年3月16日

【連載】個人事業の実話「第3話:自分に何ができるか、何を生業とするか」

さて、連載3回目の今回は、予告の通り「何を生業とするかを明確にする」についてお話します。

前回のお話の中で挙げた「独立に向いている人」の例にもありますが、ビジネスを立ち上げる際に何を業務の中心とするのかは、「これまでの仕事・教育で培った技術」・「取得・習得した特別な資格や知識」辺りを踏まえることが基本です。つまりは「自分の得意分野」ですね。当たり前ですが。

ただ、ビジネスというのは常に「自分が得意なことだけをやる」という考えではなかなか上手くいきません。
例えば、「WEBデザイナー」として独立した場合の業務を例に挙げます。

  • 新規顧客の開拓、営業
  • クライアントとの契約、打ち合わせ(企画、プレゼン、見積もり等も含む)
  • サーバ・ドメイン等の手配、設定
  • デザイン、コーディング(プロトタイプ作成等も含む)
  • コンテンツ制作、または流し込み
  • 納品、請求、その他の会計事務

等々、勤めている時にはやらなくて良かった業務もふんだんに盛り込まれます。

それなりに資本や確実な収益の見込みがあるのであれば、人材を雇用して役割を分担する、またはアウトソーシング(外注)するというのも手ですが、もちろんその分の金銭的な負担は発生するわけなので、最初のうちからそのような考えで進めるのはリスクが大きいかもしれません。
何よりも、「できないことは人に任せる」というスタンスは、その場の刹那的な効率を重視しているだけで、抜本的な成長からは遠いように思います。

そうは言っても、最初からオールマイティにこなせる人なんてそういるものではありません。
「じゃぁどーすりゃ良いのさっ!」とお思いでしょうが、その答えは至ってシンプル。事前にある程度のノウハウを仕入れる、そしてどうにもならない点をどうするか対策を立てる、それだけです。

理想的なのは、独立する前、まだ会社勤めをしているうちにアンテナを張り巡らせて情報を仕入れる、「盗めるものは盗め」作戦。
前回で「実務経験は必要」とわざわざ但し書きを入れたのもこの理由ですが、会社はビジネスの流れを体感することができる最も素晴らしい環境です。
仕事がどこから流れてきて、お金がどう発生するのか、そしてどこに出費が発生して、どれだけの工程を踏まえて業務の一連が完結するのか、それらを目の当たりにできるのは学校ではなく、社会そのものである「会社」だけです。
あとは、それに沿って必要なことを整理し、上司や同僚、先輩、友人に話を聞く、書籍やGoogle先生に学ぶなどして基礎を固めましょう。
地味ですが、この準備ができたか否かは独立した後で大きな差をもたらすでしょう。

そして、長くなりましたが、本題の「何を生業とするか」について。
どんな業種にも言えることですが、一番大切なのは、自分のターゲットエリアの競合が行っている業務内容と比較して対等に渡り合えるのか、ひいては勝算があるのか、需要があるのかを見極めることです(できれば他の競合とバッティングしないニッチな業務内容にしたいところですが)。

単純なことですが、競合と真っ向勝負をかけるのが難しければ「工夫」をしましょう。サービスに付加価値を付ける、競合にないサービスを考える、価格設定を考える(くれぐれも市場を崩さないように!)、など。

つまり、ビジネスとは「勉強」と「工夫」と「努力」無くしては成り立たないのです。
独りで闘っていくことに自信が持てないのであれば、場合によっては潔く「今回は諦める」というのも英断ですが、「どうしても!」という方々は、業務内容に「代理業」を追加して、外注のプロフェッショナルを目指すのもアリかもしれませんね。

>> 【連載】個人事業の実話「第1話:法人か、個人か、それが問題だ」
>> 【連載】個人事業の実話「第2話:独立に向いた人・向かない人」

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