最後、「安易に独立するのは危険」という言葉で締め括りましたが、今回はこの辺について具体的にお話したいと思います。
それではまず、実際に「独立に向いている人」とはどういう人なのでしょうか。
向いているとされる人の例をいくつか挙げてみましょう。
これから独立を考えている方々は「チェックシート」として参考にしてみてはいかがでしょうか。
- これまでの仕事・教育で培った、競争できるだけの技術がある(実務経験は必要)
- アイデア力、またそれをアクションに移す行動力がある
- 他にない、または明確・堅実なビジネスモデルを持っている
- 特別な資格と知識を持っている(司法書士、公認会計士など)
- 営業力・折衝能力が高い
- 誰にも負けない人望・信頼がある(自己判断は危険ですよ)
- 努力を惜しまず、堅実に前に進むことができる
などなど。
お気づきの方々もいらっしゃるかも知れませんが、以上の項目は事業者向け融資の審査基準に近いものが何点かありますね。
つまりはそういうことで、「将来性があるかどうか」ということに繋がっているのです。
では、逆に、「向いていない人」について。
以下のうち一つでも該当する方は残念ながら独立には不向きであると言われています。
- 時間・金銭感覚がルーズ
- 考えること、行動することが苦手
- ビジネスモデルがない、または漠然としたものしかない
- 判断力がない
- 社会情勢・動向に対する意識が低い
- 仕事とプライベートの線引きができない
- コミュニケーション能力がない
- 明確な実績・スキルがないのに「自分が一番」と盲信している
ただし、考え方は変えることができ、努力次第で自分のウィークポイントを改善することも可能なので、今当てはまったからと言ってずっと「独立に向かない人」ではありません。
要は個人事業と言えど事業者であり、経営者としての意識・自覚を忘れず、ストイックに仕事に励むことができるかどうかが鍵なわけです。
特に、雇用されている身とは違って、すべての責任は自分に降りかかり、やらなければ報酬を得ることさえできませんので、最初にお話した通り、安易な考えでは成功できないのです。
そういった「安易な独立」で失敗することを防ぐために、まずは独立する第一歩として、
- 上述の「向き不向き」を例に自分のことを客観的に評価する
- 何を生業とするかを明確にする
- 毎月どれだけの収益を上げる必要があるかを計算する
- どういう金額設定でどれだけの案件をこなさなければいけないのかを計算する
という、当たり前なことから着実に踏み出さなければなりません。
そして、こういった基礎となることは頭の中だけではなく、書面として書き出すことも大切です。
というわけで、次回からはその「何を生業とするかを明確にする」、「毎月どれだけの収益を上げる必要があるかを計算する」、「どういう金額設定でどれだけの案件をこなさなければいけないのかを計算する」の辺りを実話を交えながらお話していきたいと思います。
>> 【連載】個人事業の実話「第1話:法人か、個人か、それが問題だ」
>> 【連載】個人事業の実話「第3話:自分に何ができるか、何を生業とするか」
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